カブの葉っぱのふりかけの話

 冷たい水でカブをよく洗って土を流す。実は千枚漬けに、残りの葉っぱはすべてみじん切りにして、ごま油で炒め、シラスやごまを和えてふりかけをつくる。カブの葉のふりかけは、おにぎりにするとても美味しい。

我が家には毎月、宅急便が届く。たくさんの野菜たち。新聞で丁寧に包まれた土付きの大根やカブ。シイタケ、柚子、小松菜、ほうれん草、青梗菜、白菜、キャベツ、太いゴボウ。最初は食べきれない分を送っていただいているものかと思っていた。

けれど、義父母のいる田舎に帰るたび、その畑の収穫のほとんどが子供たち家族のために作られていることに気付かされる。私たちが帰省から帰る日の、凍えそうな朝も、義母は霜の降りた畑から素手でカブをいくつも採ってきた。

だからカブの葉は、捨てられない。子供たちが寝静まったほんの合間を見つけて、時間が経って葉が悪くならないうちに、なるべく急いでふりかけをつくる。今の私の日常の中の、大切なひとこま。